起業・経営ノウハウ

起業家の先輩に教わる「仲間集めの壁」

2022.02.27

この記事を書いた人:中村多伽
株式会社taliki代表取締役、talikiファンド代表パートナー。社会起業家の事業立ち上げ伴走、ベンチャーキャピタル運営、上場企業の事業開発支援などを行う。 

 投資家・アクセラレーターとして様々な起業家とお会いし、色んなお悩みやブレイクスルーのお話を聞く中で、創業時には様々な「壁」があることもお聞きしております。

 今回は、その中でも仲間集めについて考えてみました。

創業時の体制について、失敗したパターン、そしてメンバーの集め方についてそれぞれ参考にして頂ければ幸いです。

 

創業時の体制パターン

創業時の体制を「人数」「役割」の観点から見ていきましょう。

 

 「人数」は、コミュニケーションスピード実現したいことの規模とのトレードオフになります。
一人で行う場合、あらゆる意思決定を自分で行う事ができます。翻って、大人数の場合は、リソースを沢山使える代わりに、コミュニケーションスピードが遅くなります。
従って、スタートアップのリソースを考えると、スムーズなコミュニケーションと最小限のマネジメントで前に進める人数が望ましいです。

 

 「役割」は、最低限必要な役割です。ビジネスアイデアを思いついたときに、社内で持っておくべきリソースは何か?を考えながらメンバーを検討する必要があります。
もちろん、ヴィジョンやミッションを決めるCEOは必要で代替不能でしょう。
次に、例えばテック系企業であれば競争優位性や模倣可能性がテクノロジーになる場合が多いので、CTO(もしくはCEOによる兼任)が必要になります。
マーケティングが模倣不能であればCMO、複雑なオペレーションが模倣不能であればCOOが必要になるでしょう。

 

まとめると、体制として下記のようなパターンが想定されます。

体制 ケース
CEO 一人何役も出来る場合/資金的リソースが制限されている場合
CEO+CTO テクノロジーをコアコンピタンスにする場合
CEO+COO 業務工程が複雑な場合
CEO+COO+CTO 起業当初から資金的リソースが潤沢にある場合

 

失敗から学ぼう!よくある失敗のパターン

具体例①:ほぼ知らないおじさんから出資され、会社を乗っ取られた場合

起業前のタイミングでいろんなミートアップに参加していた起業家。よく知らないおじさんとイベントで出会い、出資に積極的だったことと、アイデアが脆弱だったことから、株式の50%超の出資を受けながらおじさんにジョインしてもらう。
最初の役員報酬を設定する際
に、最初なので低い報酬を設定。
その後事業を進めて行くにあたり、報酬をあげることも検討するようになった。

しかし、役員報酬は株主総会での決議事項となるが、株主総会で議決権を多く持つおじさんが変更に反対、ジリ貧生活に。
また、経営方針の変更も彼の同意なくして出来ない。結果として起業家はやりたいことも出来ず、報酬も満足に得られず、自身が創業した会社を去ることを決めた。

 

具体例②:コミュニケーションで心を壊してしまう場合

仲間を募集するというタイミングで、「社長よりも高い給与が最低条件」と言われたが、必要な人材だと感じて採用。
ただ、実際その人物がパフォーマンスを出しておらず、売上が上がらない中で、給与を上げてくれという交渉が行われた。
代表は心を壊してしまい、事業を休憩することに。

 

具体例③:共同CEOの形をとった場合

起業前までに、ビジネスアイデアを日々ブラッシュアップしたふたり。株式も50%ずつ保持し、いざ起業。
ところが、事業を運営して初めて気付くお互いの弱点が見つかり、上手く噛み合わなくなった。
お互いが相手に責任を擦り付けあって、何も進まず、半年の事業運営の後に双方が疲弊。このまま事業を続けるのが厳しくなり、1人が辞める形に。

 

具体例④:大人数で全員で起業をした場合

大学でイベントサークルの代表を行っていた経験を通じて、起業前に何十人の協力者を集め、いきなり複数事業を構想。
意思疎通に時間がかかるため立ち上げ時にも関わらず事業が全く進まない状況に。
創業時、全員にお給料を払うには人が多すぎるため一部のコアメンバーに給料を支払っていたが、全員に給与を支払える利益を出すまでには相当の時間がかかることにメンバーが気づき大量離職が生じた。
結局創業1年後には会社は空中分解した。

 

メンバーの集め方

創業メンバーは、多くの場合1人か2人です。
多くの場合は資金的に余裕がないため、社長一人で創業して、アルバイトや、業務委託のエンジニア、マーケッター、デザイナーなどに発注しながら規模を拡大していきます。

他のケースでは、大学のゼミの同僚やサークルの友達、インキュベーションプログラムで別のビジネスプランを検討していた元戦友、インターン先の友人、起業支援をしているコワーキングスペースから始めるケースなどがあります。

起業から2年くらいの初期メンバーとしては、創業者の元同僚、取引先、VCなどの引き合わせ等が多いかと思います。

 

いかがでしたでしょうか。創業メンバーの構成やメンバーの集め方で参考になれば幸いです。

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仲間集め

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